「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言

地域シンポジウム(高知県)を開催しました!

  令和6年11月、「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」(以下、「男性リーダーの会」)地域シンポジウムを高知県と共催で開催しました。基調講演では、本会に参加いただいている日本生命保険相互会社の清水社長から、女性活躍推進に関する想いと取組事例をご紹介いただきました。また、県内男性リーダーである株式会社幸の中平社長、株式会社高知銀行の森下会長、そして、県内女性リーダーとして株式会社技研製作所の前田専務に登壇いただき、女性活躍推進における組織トップの役割と題してパネルディスカッションを行いました。当日は高知県内外の企業の代表や社長等、約170名の方にご参加いただきました。

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」地域シンポジウム(高知県)開催報告

日時:
令和6年11月19日(火) 13:30~15:00
場所:
ハイブリッド形式(ちより街テラス3階「ちよテラホール」/ZOOMウェビナー)
主催:
内閣府 男女共同参画局 輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会
共催:
高知県
チラシ:
こちら[PDF形式:4.83MB]

プログラム

1.開会挨拶
?女性活躍担当大臣?内閣府特命担当大臣(男女共同参画) 三原 じゅん子

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 三原大臣は、開会挨拶の中で、女性役員比率の高い企業の方が企業としてのパフォーマンスが高いことについて触れるとともに、多様性の確保が企業の成長だけでなく魅力的な地域の実現、日本経済の発展につながるものであるとして、シンポジウムの参加者に女性活躍の重要性を訴えました。
 また、シンポジウムで得られた学びをそれぞれの組織に持ち帰り、トップ主導の下、組織内及び地域の女性活躍を加速してほしいと呼びかけました。


?高知県知事 濵田 省司

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 濵田知事は、高知県内では若い女性の転出超過とそれに伴う子どもの出生数減少が進む中、人口減少対策の大きな柱として「共働き?共育て」宣言を行い、県民運動として重点的に取り組み始めたことを紹介しました。男性育休の取得が当たり前となり、多様な価値観を大事にする高知県になることで、若い女性が高知県に帰ってくる、そして移住してもらうことへの後押しにつなげたいと語りました。高知県庁の男性育休取得率は今では80%台まで高まっており、県内企業においても男性リーダーが率先をして取組を進め、共働き?共育ての社会が高知県で広まることを後押ししてほしいと呼びかけました。
 また、人手不足は多くの企業において経営上の大きな課題になっていることにも触れ、従来型の働き方にとらわれず、女性の活躍を推進し多様な価値観を活かすことは重要であることから、男性リーダーの今後の行動と決断により、より良い高知県になることを期待していると述
                      べました。

2.基調講演
テーマ「女性活躍推進に関する想いと取組」
日本生命保険相互会社 代表取締役社長 社長執行役員 清水 博 氏

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清水社長は、女性の活躍推進は一つの企業の課題にとどまらず、日本社会全体の重要な課題であり、女性の視点、経験、洞察力等は企業と社会にとって新たな革新をもたらす源になるとし、自社の取組、そして社長自身が積極的に行っていることについて紹介をしました。
 自身が社長就任以来、「人は力、人が全て」という言葉を一貫して唱えており、組織を持続的に発展させる原動力は人であり、多様な人材が多彩に活躍できるように一人一人が持つ能力を最大限発揮できる環境を整える責任を企業、そして組織トップは負っているとし、その責任を果たすべく、女性活躍を実現するための人材育成においては「リーダーを志向する意識を持たせる」「挑戦する機会を与える」「挑戦する人をサポートする」といった3つを重視しながら様々な取組を行っていると紹介しました。
 また、組織トップが行う重要な施策としては、会社の目標を設定?公表し達成に向けて定期的にPDCAを回すこと、そしてトップ自らのコミットメントが重要であると語りました。日本生命においても、目標を設定?公表してから、着実に成果が出ているという実績や、社長自らが女性社員の輪の中へ入り、生の声を聴き対話をするようにしているといった社長自らの取組も紹介しました。
 最後に、女性活躍を推進することは、女性の活躍にとどまらず、様々な個性を持った意欲のある人材が能力を最大限発揮できる多様で、公正で、包摂的な社会を目指していく、いわゆるDE&I社会を目指す上で大変重要であり、違う感性、考えを持つ人同士が協力し高め合うことで、より良いものをつくりだせるとし、今後も清水社長自身がコミットし積極的に取り組みたいと意気込みを発信しました。


3.パネルディスカッション
 テーマ「女性活躍推進における組織トップの役割」
  中平 武志 氏(株式会社幸 代表取締役)
  前田 みか 氏(株式会社技研製作所 取締役 専務執行役員)
  森下 勝彦 氏(株式会社高知銀行 取締役会長)
  徳倉 康之 氏(株式会社ファミーリエ 代表取締役社長)※ファシリテーター

 パネルディスカッションでは、女性活躍推進に対する組織トップのコミットメントや、自身がリーダーから受けた影響について発信いただくとともに、女性活躍をさらに推進していくために今後取り組みたいことや、性別を問わず多様な人材が輝けるこれからの経営?組織の在り方についてお話しいただきました。


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       パネルディスカッションの様子           左上から時計回りに、中平社長、前田専務、森下会長、徳倉氏

■女性の役員登用についてコミットしていること、組織トップのリーダーシップについて

?女性、男性にかかわらず子育て中の親たちが、経営参画できるように意識をして経営をしている。介護福祉業において日中の経営会議が難しい状況だったため、懇親会へ職員の子ども達も参加できるようにし、懇親会の場で会社の経営課題や職員の未来を語り合うようにしたことが、女性活躍推進の第一歩になった。また、土日祝日は子育て中の親は出勤が難しい場合が多いが、子連れ出勤を推奨したことで、土日出勤も可能になった。女性活躍推進は経営戦略として考えている。(㈱幸?中平社長)
?女性職員がリーダーシップを発揮し、意思決定に積極的に関与できる組織文化の構築に取り組んだ。営業店への訪問時に社員と積極的に会話や意見交換を行い、女性職員に対する非経験分野や上位職位への挑戦を促し女性活躍の場を広げていった。一方で男性職員に対しては、女性職員の活躍は当たり前であるという意識改革を促した。組織トップの本気度を見せることも重要であるが、職員の主体性も重要となる。(高知銀行?森下会長)
?製造業であることから、長年男性が経営層の中核を務めてきた歴史がある。一方で、製造業ならではの管理監督についての圧倒的な知識と経験不足から女性も「私には務まらない」と自身にレッテルを貼り、敬遠してきた経緯がある。自身の経験としては、当時仕えていた創業経営者より「エンジニアとは違った考え方で管理、監督をやってみないか」と話があった。今までとは違うタイプの管理職でもいいと、明言してくれたことで挑戦できた。(技研製作所?前田専務)

■これから女性活躍推進のために取り組みたいこと

?ゼネラリスト以外からの登用が難しい現人事制度の改正を検討しており、この改正によりキャリアパスの多様化を図り、女性が経営幹部になりやすい環境を作ることを目指している。また、女性は外部とのネットワークづくりの機会が少ないため、異業種交流を通して互いの悩みや課題を共有し、社内だけでは得られない知見や気づきを得られるよう、異業種交流活動を促進していきたい。(高知銀行?森下会長)
?自社の課題としては、女性のマネージャーは育っているが、女性のリーダーの不足と残業削減の2つがある。マネージャーとリーダーそれぞれの役割がある中で、前に立って発信をするリーダーとなり得る人材が不足しているため、そういった女性を育てたいと思っている。また、残業をしないとできない業務があると、育児等の様々な理由で残業ができない人にとっては習得できないことになり、男女関係なくキャリアアップにつながりにくくなる原因となるので、業務改善を図っていきたい。(㈱幸?中平社長)
?女性のライフイベント(妊娠?出産)がキャリアにおいてマイナス評価にならない社内制度を確立したいと考えている。なぜならこの女性特有のイベントは社会参画への大きなプロジェクトであり、企業にとってマイナスになるものではない。また、女性が今までできないだろうと思われていた職種へ挑戦させてみると、それぞれの持つ能力を発揮し、自分のやり方で成功体験をする。そういったローテーション異動による多能工職員を育成し、広く管理職のポストに就かせられる職員を増やしたい。(技研製作所?前田専務)

■今後の意気込み?シンポジウム参加者へのメッセージ

?高知県の人口減少と、それに伴う企業の人材不足は深刻である。その状況の中、女性に働きたいと思われない会社は、労働力の半分を戦力にできない会社となる。女性も男性も共に活躍できるようにするための取組は、今後高知県で生き残るためには、極めて重要である。自身もより一層力を入れて取り組みたい。(㈱幸?中平社長)
?高知県の企業の生き残りをかけて、県全体で一枚岩となって取り組まなければならない。例えば、高知県企業は有給休暇取得率が高い、または業種や企業の大小にかかわらず取りたい時期に育休を取得できるために人材の貸し借りができる等、柔軟な考えを持つことが必要である。高知県内の企業、そして高知県の存続について、高知県の皆で一緒に考えていきたい。(技研製作所?前田専務)
?女性活躍の推進は、経営戦略の中核であり、持続的な経済成長と地域社会の活性化において欠かせない要素である。女性が意思決定の場に参加し、リーダーシップを発揮できる環境が、より創造的で革新的な組織運営を可能とする。新たなリーダー層を育てる多様なキャリアパスを描ける仕組みを実現し、従業員全員の幸せにつながる、そんな企業であふれる高知県を一緒に作っていきたい。(高知銀行?森下会長)

参加者からの声

■基調講演

  • 女性活躍推進において、リーダーシップが重要であるということに気づかされた。
  • 組織トップがしっかりメッセージを出すこと、そしてブレないことが重要であり、それが結果を出すことにつながることを改めて気づかされた。

■パネルディスカッション

  • 管理職をためらう女性に対し「マネージャータイプで良い」と声を掛け、多様な管理職像を目指し、受け入れる取組は大変興味深く、参考になった。
  • 時間外労働をなくすことが、キャリア形成の公平性につながるということに気づかされた。
  • 女性が働きやすい職場は、人材確保ができているということが分かった。
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